校長挨拶
新年度が始まりました。今年は53名の新一年生を迎え、336名の全校児童が揃って学びの一歩を踏み出しました。
この節目にあたり、保護者の皆様そして地域の皆様にはこれまでと変わらぬご支援とご協力をいただきますようお願いいたします。
本校の教育目標は「やさしい子」「たくましい子」「考える子」です。
今年度は特に「やさしい子」を重点目標に掲げ、子供たちが人と関わる力を育んでいけるよう努めてまいります。
優しさとは、単に親切にすることだけでなく、多様な価値観を理解し、互いを尊重することも含まれます。
社会の変化が激しい時代において、異なる考えや文化をもつ人と出会う機会が増えています。その中で、自分と違う意見や背景をもつ人を受け入れ、共に生きていく力が求められています。
子供たちがそうした能力を身に付けるためには、家庭・学校・地域が一体となり、優しさが自然と生まれる環境を作ることが大切です。挨拶を交わし、相手の話をじっくり聞き、困っている人に手を差し伸べる。そうした日々の積み重ねが、やがて大きな人間的成長へとつながります。
元メジャーリーガーのイチロー氏は、1シーズンの最多安打を記録した後に「小さなことを積み重ねることがとんでもない所に行くただ一つの道」という言葉を残しています。この言葉が示すように特別なことでなくても、日々の当たり前のことを大切にし、それを続けていくことがやがて大きな力になります。
学校では、挨拶をする、時間を守る、学習に集中する、相手を思いやる等、こうした当たり前のことを積み重ねることを大切にしています。
しかし、それは学校だけで完結するものではありません。子供たちは家庭や地域の中で多くのことを学びます。保護者の皆様が普段から子供と関わる中で「ありがとう」「おはよう」といった言葉を大切にすることや、周囲の人を気遣う姿を見せることが子供たちに優しさを育む土台になります。
また、地域の方々が子供たちに温かく声をかけ、見守ってくださることも子供たちの心の成長につながります。子供たちは大人たちの姿を見て育ちます。だからこそ、私たち大人が優しさや当たり前の積み重ねを意識し、それを実践していくことが大切です。子供たちの健やかな成長のために今年度もどうぞよろしくお願いいたします。
台東区立黒門小学校
校長 飯塚 雅之